私が #CMC_Meetup の運営を辞めた理由

Natsuko Okada
Dec 10, 2023
アドベントカレンダー11日目のエントリーです

約4年間、本当にお世話になりました。

タイトルの通り、運営メンバーとしての活動に区切りを迎えることにしました。これからは1人の参加者に戻ります。

なぜ今このタイミングで辞めるのかに関しては、とても個人的な事情です。どうしても運営の活動時間帯は夜になるため、物理的な時間の確保が難しくなりました。

一方で、この1年くらいは頭のどこかでずっと引き際を考えていました。萩原さん @Masa_Hagiwara に相談したこともありました。なつみさん @natsu01natsu01 の “引き際” に心を動かされたこともありました。

この投稿は、大好きなコミュニティだからこそ、その未来を想うからこそ身を引くことにした、とあるコミュニティ運営メンバーのサイドストーリーです。名曲「なごり雪」をBGMに書いています(嘘)

いやしかし、名曲

2023年、コロナが5類に移行し、人々の移動が復活し、オフィスに人が戻ってきました。前年9月、東京では2年半ぶりに CMC_Meetup のオフライン開催が実現し、福岡を皮切りに全国各地でもイベントが開催されるようになりました。他のコミュニティでも一気にオフライン開催が増えました。

2024年、きっとこの流れはさらに加速します。人とのつながりやコミュニティの価値を再認識した人々の動きがコミュニティマーケティングの隆盛へとつながっていくことは必至でしょう。コミュニティマーケティングを実践する人たちのためのコミュニティである CMC_Meetup には今、続々と人が集まってきています。

運営メンバーは、この1年で様変わりしました。コミュニティマーケティングを第一線で実践している強力なメンバーがマジョリティになりました。これで名実ともに、コミュニティマーケティング実践者による、実践者のための、実践を後押しするコミュニティになりました。これからコミュニティマーケティングを始めたい人や試行錯誤中の企業にとって、これ以上ないほどの頼もしい存在ではないでしょうか。コミュニティ参加に必要なのは、飛び込む勇気だけです。運営メンバーだけでなく、参加者が利他的で楽しそうなのも CMC_Meetup の特徴であり魅力です。

だから、私は運営を降りることにしました。

ずっと、運営チームでの自分の役割を「中継ぎ」だと思ってやってきました。すばらしいメンバー加入によって「中継ぎ」としての役目を終えた感もあります。

それ以上に、2024年からのコミュニティマーケティングと CMC_Meetup の発展を考えたときに、コミュニティマーケティングに情熱を燃やすメンバーだけで運営は回っていてほしいと私は思いました(ありがたいことにそんな私への慰留のお言葉もいただいたから、公式見解ではありませんが)。

これが1年かけて出した私の結論です。ここからは、なぜ私がそう思うようになったのかを書いてみます。お時間のない方は飛ばして、投稿末尾の「おわりに」パートにジャンプしてくださいね!

2020年の初めに時計の針を戻します。
コロナの影響がこんなにも大きくなるとは知らずに企画が始まった大規模カンファレンス「CMC_MAX」は、確かサイボウズさんのオフィスをお借りして土曜日に開催しようという話でした。私はその1ヶ月ほど前に Success4 というカスタマーサクセスの大規模なオフラインカンファレンスを取りまわしていた経験を買っていただいたとかで、幸運にも運営メンバーにお声がかかりました。これが CMC_Meetup 運営と私のはじまりです。

当時は、運営メンバーにかなえちゃんも新藤さんも山田さんもいて、私が参加した初回の運営ミーティングはかなえちゃんの住むマンションのゲストスペースで行われました。

時は進み、コロナは勢いを増しました。
CMC_MAX は結局オンラインで開催され、運営メンバー同士がリアルで会う機会はなくなり、世の中のコミュニティマーケティング施策はオンラインに完全シフトしていきました。運営メンバーを取り巻く環境もそれぞれ変化し、CMC_Meetup の活動は次第に下火になりました。(その後のリブートについてはこちら

それぞれの事情から運営メンバーが一人、また一人といなくなりました。でも、活動自体が控えめだったので、皮肉なことに運営自体は回っていました。

©︎おじまさん

2022年、さすがにまずいと CMC_Meetup のリブートが始まりました。
上記のスライド内容を皮切りにいろいろな施策を実施することになり、私がフロントに立たせていただく機会も増えました。ひょっとしたら、この時期以降にCMCランチスペースホストやイベントのファシリテーター役として振る舞う私を見て、コミュニティのプロだと思ってくださった方もいるのかもしれません。

違うんです。まったくもって、おこがましい。

私はカスタマーサクセスの人間で、カスタマーサクセスの求道者としてコミュニティに越境してきた学習者です。コミュニティマーケティングに関する仕事は過去も現在もしていません。(ちなみに、ご存じの通り CMC_Meetup の運営はボランティアなので、その意味でもしていません)

カスタマーサクセスになじみのある方は、カスタマーサクセスだってコミュニティやってるじゃないかと思うかもしれません。その通りです。だから私も越境してきました。

が、カスタマーサクセスと一口に言っても、私は「カスタマーサクセスの立ち上げに苦戦するチームを伴走支援する」お仕事をメインにしています。伴走対象の多くは、新しい収益の柱候補としてサブスクリプションビジネスに取り組み始めたものの、既存事業で培った企業カルチャーや既存の経営センスが足かせになっているチームです。2019年から3年くらい組織変革やコーチングを行う会社にどっぷり身を置いたのは、私の場合はカスタマーサクセスと組織変革やリーダーシップが切っても切り離せない関係にあるからです。

カスタマーサクセスの立ち上げという、大好きなこのお仕事をしながらいつも思うのは、チームと一緒に “このサービスにおけるカスタマーサクセスとは具体的にどんな状態だろうか?” を議論し、お客様の声から得られたインサイトをプロダクト側にフィードバックし、解約の申し出に戦々恐々し、プレイブック(カスタマーサクセス担当者の秘伝のタレみたいなドキュメント)をまとめつつも、つまるところ私が本当に向き合っているのはこの会社のカルチャーを真にカスタマーセントリックに変革する火種づくりなんだよなということです。
私はあくまで一時的にサポートする外部の人間であって変革の主人公ではありませんが、そんな主人公たちのきっかけとか外部刺激の一つになれたらといつも願っています。

とても話がそれてしまいました。
そんなわけで、少なくとも私の場合はカスタマーサクセスとコミュニティは重なる部分こそあれかなり違うモノなのです。カスタマーサクセス目線で見れば、コミュニティは一施策なので特に立ち上げ時には手を出す対象でないことがほとんどです。コミュニティ目線で見れば、カスタマーサクセスは一部のビジネスモデルに立脚する考え方に過ぎません。XaaS はどちらとも親和性が高いけれど、カスタマーサクセスもコミュニティも XaaS の専売特許ではありません。

今年6月、札幌で行われた CMC_Meetup に登壇する機会をいただけたのをきっかけに、コミュニティ運営メンバーの思惑3属性をまとめました。のちに小島さんから #なつこ総研 とのありがたいハッシュタグを頂戴することになったこのレポートを通じて、ずっともやもやしていたことがありました。それは、CMC運営に対する私のこのモチベーションは何なんだ?ということです。人のことは分析するくせに、自分のこととなるとわからない。3属性でいうなら、私はいったいどれなんだ?

運営メンバーの3属性

奇しくも、辞めるタイミングでようやくわかりました。アソビ属性とシゴト属性が半々くらいでしたね。大好きな運営チームと大好きなCMCメンバーと一緒にやれるのが楽しかったからここにいたくて、一方でカスタマーサクセスという自分の本業への学びを得たくて砂かぶり席に陣取っていました。
このまま運営にいられたら、普通には会えない方々とのご縁をいただけて役得だけでお釣りがくるし、これから始まるコミュニティマーケティングの大波を大好きな仲間たちとヒリヒリしながら最前線で体験できてきっと一生モノの財産になるだろうし、辞めないほうが絶対に得なんだと思います。

でも、「大好きなコミュニティだからこそ」身を引くことにしました。「大好きなコミュニティだからこそ」は別の文脈でなつみさんが使っていたフレーズです。私に次へ進む勇気をくれて、ありがとう。

コミュニティマーケティングへの情熱が、私にはちょっと足りなかった。コミュニティマーケティングにおける私のシゴト属性やアソビ属性が50ずつくらいあるとすると、カスタマーサクセスへのライフワーク属性が50000くらいあるんです。私がやらなきゃいけないことが、カスタマーサクセス領域にはまだあると信じています。「微力だが、無力ではない」という恩師・米倉誠一郎先生の言葉を胸に刻んで微力な私は生きています。

おわりに。

12/14(木) 東京は六本木で、#CMC_Meetup が開催されます!👏 なにやらビッグニュースもあるみたいですよ。
参加チケットは早々に完売してましたが、2024年の年明けからエンジン全開でコミュニティマーケティングは進んでいくようなので、今回はご参加されない方も X の投稿 #CMC_MeetupFacebookグループに今後もぜひご注目ください。

最近、昔むかしの元同僚から「最近コミュニティで色々やってるんだけど、CMC 気になってチラ見してる。。」と10年ぶりくらいに連絡をもらいました(ありがとう!)。聞けば、Facebookグループにも入っているけどオフラインイベント参加となるとちょっと踏み出せない気持ちもあるとかないとか。
わかる、わかるよ。その気持ち。初めに勇気がいるのは事実。でも、コミュニティマーケティングをやりたい人にとって、これ以上ない場だと私は思っています。あと、X に関しては使ってた方が情報早くて楽しいと思います。

そして、私も参加させていただいたコミュニティマーケティング Advent Calendar 2023。強烈に埋まるの早かったですね。びっくりしました。ここだけの話、前回企画が持ち上がったときなんてコロナど真ん中の時期だったからか運営も「埋まらないだろ・・」ムード満載で企画倒れになった記憶です(笑)。
ここでもコミュニティマーケティングの盛り上がりを感じています。2024年はどうなっちゃうんでしょうか。

そんなこんなで4年間、本当にありがとうございました。
運営メンバーではなくなっても仲良くしてくださいね!!

かかえきれない感謝をこめて。

p.s. #なつこ総研 は案外気に入ってる活動なので、今後もマイペースに続けます。たぶん。

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